港湾労働の現在・そして未来
2010港湾シンポジウム東京港

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 今回東京港でおこなわれたシンポジウムは2日間で参加者は述べ251名となりました。検数労連でも地元東京を中心に横浜・名古屋からたくさんの仲間がきました。
 1日目の記念講演では全国港湾渡辺書記長が『港湾労働の現状と将来』というテーマで記念講演をおこないました。
 渡辺書記長の記念講演では、港湾労働の現状は『規制緩和により、港運料金のダンピング常態化し、そのことによって港湾労働者の諸労働条件の維持向上が困難な状況に置かれている』とし、規制緩和からの脱却が秩序ある労働環境を構築するうえで必要である。このことを追求する中で、持続可能な港湾産業とそこで働く労働者の雇用・就労、労働条件の安定を将来的に保障させる体制を構築する取り組みが今日的課題である。
 
  

 
 今日の規制緩和の負の部分を払拭し、健全なる港湾運送と健全なる労使関係を将来的にも安定的に運用することが何よりも重要な課題であり、『魅力ある港湾の確立』は働く者が誇りを持てる政策の実施でる。そのことを実するには港湾労働者に利益が還元されてはじめて結実するものである。
 政治課題への取り組みを本格化させる運動は、港湾で働く者の全員参加がその成功の鍵を握っている。今、港湾で抱えている課題の理解を全員で深めながら、港湾の将来展望を開くべく港湾労働者のプライドをもって団結を図ろうではないかとの内容でした。
 
 
2日めには『港湾労働の現状と未来』『港湾労働の安全安心』『輸入食品の安全と日本の食糧問題』『港湾の臨海開発と環境問題』の4つのテーマで分科会がおこなわれました。
 港湾労働の現状と未来というテーマでは、港湾労働者の賃金体系は10年前の賃金体系に至っていないことや、大幅な賃上げを獲得するには下請けの最低賃金を設け、そこから運動によって築きあげていく必要があるとのまとめに至りました。
 港湾労働の安心安全というテーマではコンテナ本船の大型化に伴い、ガントリークレーンの照明がホールドまで届きにくいことや、7段・8積みのコンテナ荷役の危険に伴う作業中止判断を現場だけの判断で決めれるかが疑問との問題提起がされました。
 輸入食品の安心安全と日本の食糧問題というテーマでは輸入の水(ペットボトル製品)については検査が厳しいが、サーバータンクの水に関しては検査の規制が甘いことや、塩に関しては輸入が自由化されて海外からの輸入塩が増えた。岩塩に関しては重金属等などの不純物が含まれている可能性があることなどが発言されました。
 港湾の臨海開発と環境問題というテーマでは、埠頭の大規模開発は潮の流れを変えたり臨海の高層マンションは都心への風通しを悪くして環境にも影響が出ていることが、発言され、環境問題に関しては、地域住民と一体化した取り組みが必要とまとめています。 
 来年の港湾シンポは開催の方向でいますが、諸事情により開催地等は今後の話し合いで決めることとなりました。