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第35回定期全国大会







■労働組合の力関係を変え、生活と雇用を守る運動へ■

検数労連第35回定期大会を開催

 

 10月7〜8日、検数労連第35回定期大会が東京・晴海、ホテル「マリナーズコート東京」で開催されました。検数労連は今年結成30周年を迎え、7日夜には全国港湾 安田議長、全労連熊谷議長をはじめ来賓、代議員など160名余の参加で記念祝賀会が行われました。
 冒頭あいさつに立った鈴木委員長は、「好むと好まざるにかかわらず、政治が私たちの生活や仕事場に直接襲いかかってきているのが今日の状況」として、「全国港湾を中心とする産別統一闘争の強化と、交運共闘・全労連をはじめとするたたかう労働運動に結集して、組織された労働者の社会的力で生活と雇用を守る運動を本格的に強化しよう」と呼びかけました。
 大会では、特に「全検協会企業対策」について集中的な議論が行われ、対策方針を確認しました。また、雇用確保と労働条件の維持・向上を図る条件整備として「仕事と収入の確保」運動を軌道にのせ、すべての職場から取り組んでいくことの重要性が強調されました。

1.大会参加者
     代議員 29名、 中執 7名、 会計監査 2名
オブザーバー 45名、 事務局 1名、 合計 84名


2.大会役員
議  長 石塚(横浜)、光部(名古屋)
書  記 岩谷(東京)、川村(大阪)
議事運営委員 十鳥(横浜)、坂井(神戸)
蛭子(四国)、後藤(九日)
役員選考委員 各地域(支部)委員長
選挙管理委員 金岡(北海道)、渡辺(東北)
川口(伏木)、加藤(清水)、野原(中国)
資格審査委員 指田、斎藤
大会宣言起草委員 札ノ内(神戸)、原田(九全)

3.来賓あいさつ
全国港湾  安田憲司  議長
交運共闘  坂田晋作  議長
全労連   日下 努  幹事
共産党    大沢たつみ 参議院議員

4.メッセージ・祝電
メッセージ24通



5.鈴木委員長基調報告
1)   国の進路にかかわる問題で、今年6月6日は、日本の戦後史に残る忘れられない日となりました。この日は、有事関連法制が成立し、日本は名実ともに「戦争をする国」になることを国の内外に宣言するという、歴史逆行する道を選択しました。 
 共産党・社民党以外の法案に賛成した議員の暴挙を、怒りを込めて糾弾したいと思います。同時に、これを発動させないためにたたかう決意を今大会の名において決議することを訴えたい。すでに全国港湾は、法案の発動阻止にむけて、陸海空港湾20労組を中心に、従事命令に関係する労組とも懇談会を設けて、意見交換をしています。有事法制、「戦争法」を発動させない最大の保障は、戦争のない、平和な国、平和な地球をつくることです。
 また、年金の大改悪と消費税の増税など、国民犠牲を強めています。政治の流れを変えなければなりません。11月9日投票で総選挙がたたかわれます。来年夏には参議院選挙も行われます。民主勢力の前進にむけ、ともに奮闘したいと思います。

2)  全国港湾を中心とする産別統一闘争の強化と、交運共闘・全労連をはじめとするたたかう労働運動に結集して、組織された労働者の社会的力で生活と雇用を守る運動を本格的に強化することです。
 日本の港湾の再編・統合や港運事業の集約・整理淘汰、港湾の24時間・365日フル稼働が、国の政策として推進されています。まさに、私たちの働き方まで、政府が関与してきているのです。さらに、2000年11月に施行された港運事業の規制緩和によって、港運料金は切り下げられ、港湾のあらゆる職種で大変な経営困難と労働者犠牲が強いられています。

3)  こんにちの深刻な失業や青年労働者の雇用不安も、政府が大企業の横暴を野放しにし、リストラ支援政策をすすめていることが背景にあります。
 好むと好まざるにかかわらず、政治が私たちの生活や仕事場に直接襲いかかってきているのがこんにちの状況です。これに対抗するには、企業内だけの運動や、一職種の運動だけでは押しつぶされてしまいます。たたかう労働者との連帯と共同を本格的に強めようではありませんか。それぞれの地域で地域港湾運動を強化すると同時に、地域の仲間との共同にも積極的に参加していただきたいと思います。

4)  検数労働者自身の問題です。コンテナ化と情報通信の発展とともに、検数検定などの検査機関の市場はこの10年間だけでも3分の1も縮小しています。私たちは中期的政策として、国民の安全と安心を守るための港湾のチェック機能を強化する運動を通じて、検査機関の新たな仕事を開拓する取り組みをすすめてきました。すでに、コンテナインスペクションや農産物検査など、新たな職域が確保されつつあります。
 しかし、検数事業の収入は、両協会とも毎年100名単位の定年退職者による人件費の軽減を上回る規模で減少が続き、これに歯止めがかからない深刻な事態にあります。検数の経営者が悪い、役職者が能力がない、経理の公開が不十分だといって問題を先送りすることは、賃金カットや涙金ほどの一時金など労働者犠牲をやめさせる経済環境をつくることができないのです。

5)  検数合同発行の「検数の明日を考える」パンフは、両協会の役職者にも全員経営側を通じて配布されています。これは労務管理主体の経営体質を業務主体の経営体質に改善する経営民主化の運動であること、自分の仕事を見直す問題は、誰でも参加できる運動であり、全員参加による運動で組合の活性化をはかることにもなります。今大会で1年間重点課題としてとり組んできた「仕事と収入の確保」運動について経験交流を行い、すすんでいる地域の教訓を学びあって、職場の運動を本格的にすすめるための意思統一をはかっていただきたいと思います。

6)  検数事業の規制緩和の問題です。10月3日の「懇談会」で検数事業にたいする考え方が国交省海事局から示されました。中央執行委員会は、「許可制、料金届け出制」という根本問題は残されているものの、検数事業のセーフティーネットとして一定の評価をしています。海事局の考え方は、個人資格をなくし、その変わりに検数事業者に研修制度を義務づけ、事業者が技能労働者を育成し資格認定を行い、企業を離れたら、検数人資格は消滅する内容となっています。

6.決定事項・強調点
1.  2002年度活動経過報告・財政報告・会計監査報告について、原案通り承認されました。

1)  全検の新賃金問題について、地域、部会から報告がされ、中央から答弁がされています。

(地域・部会からの報告)
@ 北海道では、賃金カット3%上乗せが7月から強行され、新賃金への移行を強行に迫ってきている。賃金問題であり労連中央での対応を求める。
A 10月17日の支部長会議で、「新賃金導入の方針」が確認されようとしている。5支部に対して新賃金の導入が検討されている。実施されれば、3通り(退職金のない新賃金、退職金のある新賃金、賃金カット上乗せの新賃金)の新賃金が、支部別に存在することになる。全検部会としては反対の立場を確認している。

(中央答弁)
@ 新賃金については、多様な雇用形態・雇用の流動化、支出許可額運営など、全検協会の基本施策にかかわる重大な問題が包含されていると受けとめている。同一企業に2つの賃金体系が持ち込まれ、地域別新賃金へと拡大されつつある。新賃金への移行・導入については安易な妥協は出来ない。
A 新賃金問題は、労連賃金協定にかかわる課題である。導入させないためにたたかう方針を確立する。
B 「新賃金」に移行した者の賃上げについては、昇級の労使間ル−ルが必要。

2)  日検の資格手当について、春闘後の協議経過の報告と労組側の議論がされていないことから、内部議論が要請されています。

3)  1年間の運動の総括と決算報告について承認されました。

2. 2003年度の運動方針とのかかわりで、「全検企業対策」について集中的に論議を行い、方針を全体で確認しました。

1)  代表的な発言は次のとおりです。
@ 神戸からは、現在係争中であるが、短期に解決すべく取り組みを行っていることが報告されました。全検協会本部と国交省に対して、早期解決を要請する目的で「支援共闘会議(12/11結成集会)」立ち上げにむけて準備がされていることも紹介されました。12月11日に東京で開催予定の決起集会に、特に京浜地域から参加の要請がされました。
A 神戸のたたかいについては、全面的に支援する。財政的支援をする立場から反合資金を活用すべきだ。過去の経緯はどうであれ、生首が飛んでいる。
B 首切りが発生しているのになぜ中央はやらないのか。過去の経緯があるにしても中央としての再努力と対応を求める

2)  これらの意見を受けて、中執から次の答弁を行っています。
@ 「支援共闘会議」については、いままでの検数労連・部会の議論経過と到達点、産別との関係、全検全体の「再建」との関係から、検数労連中央は正式加盟とはならない。広げる運動、実務的なサポ−トなど、側面からサポ−トする。
A 神戸支部労が「自主解決の道」を選択した経過であり、「神戸支部労の独自闘争」となっていることを踏まえての対応となる。組織運営は整理済みであり、神戸が全国に要請して地域がどう応えるかの問題である。
B 何とか労使協議で解決をはかるため、中央として非公式の交渉に参加した。しかし、踏み込んだ交渉とはなっていない。これは組織的には決着済みの問題であるが、中央としての最大限のサポ−トである。
すでに機関の手続きにより、3権は神戸支部労に委譲している。
C 神戸問題、新賃金問題、退職金問題は、全検協会の基本施策として一本の糸でつながっている。新賃金を導入させないたたかいを柱に、部会として再議論を行い、部会としてのまとまり(方針の一致)が不可欠である。
D 自宅待機・一時帰休については、人道上・生存権からしても許されるものではない。神戸と協議のうえで解決にむけ取り組む。
E 部会からは、経過については神戸も認識していることと今後問題については、部会幹事会でまとめ中央に問題提起することが表明されました。

3)  次の通り議長まとめがされました。
@ 今後については、部会で一致して取り組んでいく。
A 支援共闘会議の要請については、各地域で対応する。
B 一時帰休問題については、神戸との調整を行い具体的な手だてを取っていくこととする。
C 反合資金の活用問題については、次期中央委員会で再議論を行う。
D 新賃金の導入については反対していく。

4)  検数の規制緩和、公益法人の見直し対策について次の共通認識をはかりました。
@ 検数の規制緩和については、10月3日の中央懇談会において、国交省より検数人の個人登録を廃止して、企業認定資格に変更する考え方が出されています。
今後、企業研修の中身とレベルが問われることとなりますが、免許制が許可制に変更した場合のセ−フティ−ネットとして一定評価し、これまで果たしてきた「第3者証明機関としての公益性」が阻害されないよう取り組みをすすめる。
A 公益法人の見直しについては、2005年度末までの法整備にむけて作業がすすめられている。業態が変わろうとも、第3者証明機関として公益性をもって、水際でのチェック機能をどう高めるか、検査機関としての力を付けることがポイントになる。

5)  地域三権による一時金闘争について、日検関係(3支部)から、「中央三権に戻すべきだ」「すでに3年が経過し、格差が拡大している。検証と総括が必要」との立場での意見が出されました。議長まとめとして、本年度については地域3権での一時金闘争を確認しました。

6)  全貨検数協定の完全実施の取り組みについて発言「ある船社はシップサイド検数をたてず、プラン作成のみを要求(1港鋼材6〜7千トン積みこみ)、料金は5万円、ミルは2万円しか支払っていない。全貨検数協定違反であり許せない。両協会、当該船社・代理店に対する取り組みの強化が必要」
中央からは、検数をつけるかどうかは産別協定があるが、船社の判断にゆだねられている。両協会との業務懇談会での追及を行うことと、検数の果たしている4つの役割についても「焼き直し」が必要となっていることの答弁がされました。

7)  清水支部より、9月19日の支部大会で、名古屋支部清水分会に組織改編することを大会決定したことが報告されました。全国大会で確認を行いました。

8)  全労連組織拡大推進カンパの取り組みを確認しました。

9)  運動方針の項については全体の拍手で確認されています。2003年度予算案についても確認されました。

10)  2003秋越年闘争について確認されました。
@ 越年一時金の有額回答指定日については、11月25日、回答指定日のとしました。
A 「10・23全国港湾中央行動」について全国港湾指示にもとづき、できる範囲で支援激励を取り組む。







 大会宣言・特別決議を採択しました。
    大会宣言・特別決議

 今期の中央役員体制 
中央執行委員長     鈴木 信平(横浜・日検)
副執行委員長 樋口 信雄(東北・全検)
   同 川尻 幹雄(神戸・日検)
中央書記長 福田   真(名古屋・日検)
中央書記次長 浪内 悦一(横浜・全検)
中央会計監査 比嘉 幸雄(大阪・日検)
   同 石渡 周二(東京・全検)