国際貿易の公正な取引と社会悪の監視を最終的に確認するのが検数

公正な国際貿易のサポーター、国民生活の安全を守る水際の監視人

国民生活のサポーター

 わが国では、貨物の大半が港湾を通じて国内に搬入されています。輸入食品の安全性の確保や動植物の防疫、麻薬や拳銃などの社会悪品の密輸・密入国を水際で防止することが国内産業の健全な発展と国民生活の安全確保にとってきわめて重要です。

コンテナに潜み四人密航 作業中の検数人が発見

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 最近、東京や・横浜・名古屋・神戸などの主要港で多発しているコンテナを使った中国からの密航者を、コンテナの積み卸し作業や外装・封印のチェックをしている検数人が発見した事例も各地で起きています。
 また、俳優の高倉健さんのベンツなどが盗難にあい、大量に香港へ密輸出された事件は、「輸入障壁の撤廃」「貿易手続きの簡素化などの規制緩和が進む中で、廃車証明書の添付書類が廃止され、港湾地域以外で積み込まれて起きたものです。

検数人が米国海事法廷で証言

 日本でコンテナに積み込んだ貨物がソックリなくなり、賠償請求をめぐって荷主と船会社との間で係争が起きました。その時、コンテナに積み込む作業に立ち会った検数人がアメリカの海事法廷で証言者として立ちました。この件は、公正な国際商取引とって「積み込み確認」「水際のチェックはいかに大切か、公的検査機関の役割がいかに国際信用にかかわっているのかの事例です。

コンテナ車横転 並走車つぶす

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 こうした高速道路や一般道路・港湾地域での事故は、コンテナに積み込んだ貨物の積み付け不良、危険品貨物の梱包破損、コンテナ内の高温による自然発火などによるものです。事故はドライバーだけでなく、地域住民や港湾労働者のいのちを脅かすことになります。現在の国内法では、このような事故が発生しても「誰が責任をとるのか」が明確になっていません。
 コンテナ貨物は国境を越えて走行することになります。いま国際的にも、コンテナに「何がどんな状態で」積み込まれているのか、事故が発生した際「どう対応」すればよいのかなど『国際安全基準』の規定をつくる準備がすすめられています。すでに欧米では、港湾地域での制度的な検査体制が実施されています。

海上コンテナ安全輸送法の法制化に向けて

『海上コンテナ安全輸送法(仮称)』骨子

  1. コンテナ貨物に対する荷主責任の明確化
  2. 空コンテナに対する船会社責任の明確化
  3. 港湾地域での検査体制の強化
  • コンテナ積み付け証明の義務付け
  • 積載貨物の重量証明の義務付け
  • 危険有害物質積載証明の義務付け
  • 検数・検定・鑑定などの公的証明機関による検査体制の強化
  • 上記証明書の運転手への携行